森のひとコマ

森のひとコマ|足もとのヒント

大きな木を見上げるリスのレコルとフクロウのモーリー。秋の森のワンシーン。
モーリー

茶色に色づきはじめたギザギザの葉が、

風にゆられて、ふわりとはためく。

「この大きな木、何の木かな?」

レコルが首をかしげて見あげた、そのとき──

足もとで、ちいさな音がした。

「ひゃっ…なにか落ちてきた!」

ふくふくのしっぽが、ぴんと立つ。

モーリーが静かに歩み寄り、

羽でそっと拾い上げる。

「この丸い形に、帽子の深さ──くぬぎのどんぐりだよ」

ふたりのまわりでは、

カサ…カサ…と、どんぐりが

大きな雨粒のように落ちる音が響いている。

レコルは、足もとのどんぐりを見つめてつぶやく。

「足もとに、ヒントがころがってるんだね」

──秋が、だんだん深まっていく。

落ち葉の中に、ころがるどんぐりと、レコルとモーリーの足もとのズーム
足もとに、ころがるどんぐり。
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