森のひとコマ

森のひとコマ|夕暮れのファンタジー

森のひとコマ 夕暮れのファンタジー アイキャッチ
モーリー

夏の夕暮れ。森の端にゆっくりと日が沈んでいく。

黄金色だった空は、やがて深い藍に染まり、

木々の影が長く伸びて、地面をやさしく包み込んだ。

少し離れた木陰では、モーリーが羽をふくらませて

「ふぅ…夜風がちょうどいいね」とひとりごと。

レコルは、木の枝に座って、今日も森の情報収集。

「今日は…暗くなるのが、いつもより早い」

森の奥から、ひんやりとした夜風が吹きぬけた。

そのとき──

ふわり。水辺の草むらに小さな光がともる。

そして森のあちこちに、淡い光が生まれていく。

ひとつ、またひとつ…

まるで夜空の星が、そっと地上に降りてきたみたいに。

「わー、きれい。」

レコルは目を輝かせてつぶやいた。

モーリーは、少し目を細め、夜空に視線を移す。

「夜は、隠れていた光を浮かびあがらせるんだよ。」

モーリーとレコル 夕暮れの森の挿絵
まるで星が地上に降りてきたみたい。
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