森のひとコマ

森のひとコマ|どんぐり色のひととき

秋色の森の中で、落ち葉に囲まれて立つモーリー。黄金色の木々が背景に広がるイラスト。
モーリー

森の広場に、ふわりと風が吹きぬけた。

枝を離れた葉っぱが、くるりと回って足もとに落ちてきた。

モーリーは空を見上げて、

「秋の風が、まざってきたね」と、ひとこと。

どんぐり色の羽が、光をうけてやさしくゆれる。

広場の片隅では、リスたちが小さな看板を立てていた。

「どんぐり市、もうすぐ開催です!」

モーリーはその様子を見ながら、小さくうなずいた。

そっと取り出したのは、去年どんぐり市で買った、夜灯工房のどんぐりランプ。

「これも、そろそろ出番だね」

夜の森は、すこしずつ秋に染まりはじめていた。

秋の森で目を閉じ、どんぐり型のランプを手に静かに立つモーリーのイラスト。
どんぐり色の季節が始まる
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