森のひとコマ

森のひとコマ|視線の先に

焚き火を囲んで座るフクロウ・リス・ネコの3匹。夜の森の中、焚き火の温かな光が3匹を照らしている。
モーリー

ふかふかの落ち葉を集めて、森の広場に小さな焚き火がともる。

モーリー、ニャッタ、レコルの3人が、熱い視線をそそぐなか、

パチ…パチッ…、木のはぜる音が、夜の森に心地よく響く。

モーリーは、煙で目をしぱしぱさせながら、炎の向こうをじっとのぞきこみ、

くちばしをすこし傾けて、つぶやいた。

「そろそろ、いい頃合いかな…?」

ニャッタが、すかさずこたえる。

「まだだよ、もうすこし。」

「いいにおい、してない?」

レコルが鼻をヒクヒクさせながら、にっこり笑った。 

やがて──

炎の中で、アルミホイルにくるまれた何かが

カサリ…と音を立てて動いた。

3人の目が、いっせいにまるくなる。

「うわあ…! いい色してる!」

そこには、黄金色に焼き上がった

あつあつ、ほくほくの焼きいもが、ごろん。

「あつっ、あつっ! はふはふ。」

あまい香りが、森じゅうにふわりと広がった。

モーリーは、目を細めてぽつり。

「……これこれ。秋の夜は、やっぱりこれだね。」

焚き火の炎がゆらゆらと揺れて、森の広場に、あたたかな時間が流れていった。

満月の下、焚き火を囲んで焼き芋を分け合うモーリー(フクロウ)、ニャッタ(ヤマネコ)、レコル(リス)のイラスト
月夜に焼き芋をほおばる、森の仲間たち。
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