“ふたつのノート”が導く実務の森

── この森をひらくために ──

不動産鑑定評価の枠組みは、「不動産の鑑定評価に関する法律」や「不動産鑑定評価基準」、およびその「運用上の留意事項」などによって形づくられています。
これらは、評価にあたっての基本的な考え方や原則を示す大切な指針ですが、その多くは抽象的な表現で記されています。
なぜなら、鑑定評価の実務には多様な依頼目的や評価対象があり、個別の事情に応じて柔軟に対応する必要があるからです。
こうした枠組みは、実務の多様性を前提に、共通の方向性を与えるために設けられているのです。
ただし、その方向性を具体的な実務に落とし込むには、これらのルールをただ読むだけでは不十分です。
「価格等調査に関するガイドライン」や「実務指針」など、より具体的な運用の目安や、現場で積み重ねられてきた知見とあわせて理解することが求められます。
このサイトでは、そうした「共通の枠組み」を土台にしながら、
実務の現場で得た気づきや工夫を「星空ノート」として記録し、
枠組みと実務のあいだを、やさしく、ていねいにつないでいきます。
■ 試験で学んだ知識と、実務の気づきをつなぐノート
このサイトには、ふたつのノートが登場します。
ひとつは、これからはじまる第1章で、モーリーが引き出しの奥から見つける「はじまりのノート」。
これは、かつて読者のみなさんが試験で学んだ不動産鑑定評価基準や運用上の留意事項を象徴するものです。
評価の基本的な考え方は書かれているけれど、抽象的で、実務の中ではどう使えばいいのかが見えにくい──
そんな感覚を覚えている方も多いかもしれません。
もうひとつは、各章の終わりにニャッタが書き綴る「星空ノート」。
これは、実務の現場で出会った気づきや工夫を、
あの“はじまりのノート”に重ねるように書き記していく記録です。
実務の中で「なるほど、あの理論はこうやって使うのか」と気づいたこと。
抽象的だった基準の言葉が、「こういう流れで活かせるのか」と腑に落ちたこと。
そうしたひとつひとつの灯りを、このサイトでは共有していきます。
星空ノートは、試験と実務のあいだをつなぐ小さな灯り。
かつての学びに、少しずつ実務の色を重ねていくように──
あなたのなかの“はじまりのノート”にも、静かな風が吹き抜けますように。


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