ミッドナイト不動産鑑定
夜の森の入口にある、小さな事務所。
昼のあいだ、この建物は
公園の管理事務所として、静かに建っている。
けれど、深夜になると——
看板は、別の名前を灯す。

今夜、この事務所を訪れたのは
一匹のヤマネコだった。
昼のあいだ、公園のベンチに
フィールドノートを置き忘れてしまい、
夜になってから、もう一度この公園へ戻ってきたのだ。
ニャッタは、しばらく立ち止まった。
見覚えのあるはずの場所。
けれど、どこか違う。
ふと見上げると、
そこに、ひとつの看板があった。
🦉 ミッドナイト不動産鑑定
🐈 ニャッタ:
「……こんな建物、昼間はなかったはずだ。」
けれど——
扉の奥から、灯りがもれている。
🐈 ニャッタ:
「……ちょっとだけ、のぞいてみよう。」
ギィ……
扉が、ゆっくり開いた。
ミッドナイト不動産鑑定
(通称:ミッドナイトオフィス)
ここは、実務に迷ったときに、
価格へ向かう道すじを、そっと確かめる場所。
深夜にだけ現れる、小さな鑑定事務所です。
奥には、小さな会議室があります。
この事務所について
事務所名:ミッドナイト不動産鑑定
所在地:千本木1丁目1-1
ミッドナイト通り沿い、夜の森の入口
事務所主:偉井 一晩(えらい ひとばん)
事業内容:不動産の鑑定評価/価格へ向かう物語
営業時間:0時〜4時
※登場する不動産鑑定事務所は実在しません。
この森で出会う、ふたり
夜の森は、
モーリーに案内されながら、
ニャッタと一緒に歩く森です。
🦉 森の案内役|モーリー(Morry)
ミッドナイト不動産鑑定に住み着きながら、
不動産の価格について考えているフクロウ。
ばらばらに見えることの中から、
そっと、道すじを整えていきます。
🦉 モーリー:
「夜は好き。でも、無理はしないんだ。」
枝の上でぴょんぴょん跳ねる
“枝ぴょんダンス”が特技。
🐈 価格について考えているヤマネコ|ニャッタ(Nyatta)
今夜、この事務所を訪ねてきたヤマネコ。
昼間、公園のベンチに
フィールドノートを置き忘れてしまったらしい。
まだ実務はよく分かっていないけれど、
気になることはすぐ口に出してしまいます。
星は知っている。
でも、まだ星座が見えていない。
そんな状態で、夜の森にやってきた存在です。
ここは、どんな場所?
ここでは、
すでにそこにある判断を、
ひとつの形にしていきます。
市場の中で、
誰が、何と比べ、
どこに資金を置いたのか。
その判断の連なりをたどり、
価格として示していく。
会議室
この事務所には、小さな会議室があります。
不動産の価格は、
実際に取引が行われていなくても、
「取引されるとしたら、いくらになるか」
を考えなければならない場面があります。
鑑定評価は、そうしたときに、
筋道をたどりながら、
価格へ向かう考えを、言葉にしていきます。
価格へ向かう物語は、
ここから始まります。

→ 会議室へ
入口の看板は、
夜になると、静かに名前を変える。
