森のひとコマ

森のひとコマ|ニャッタがいなくなった夜

森の中のテーブルを囲むニャッタとモーリー。どんぐりランタンと野ネズミのパイが置かれたあたたかな夜の場面。
モーリー

(※本記事は、鑑定評価の実務とは一切関係ありません。)

その夜、ミッドナイト不動産鑑定の事務所は静まりかえっていた。

あれ?ニャッタの姿がない。

モーリーが机を見渡すと、なにやらレシピのようなニャッタのメモ書きがあった。

コオロギプリンと野ネズミのパイの手書きメモ。木の机の上に羽ペンとプリン瓶が添えられている。
机の上に残された、ニャッタの手書きメモ。

モーリーは、ニャッタを探して外に出た。

静かな森の中を歩いていると、小さな灯りがぽつんとともった。

「モーリーさん、お誕生日おめでとうございます。」茂みの中から声が聞こえた。

茂みの先の小さな広場には、ニャッタがいた。

テーブルにはどんぐりのオイルランプと、モーリーの大好物の野ネズミのパイが置かれている。

夜の森で、ニャッタが野ネズミのパイをテーブルに置き、モーリーの誕生日を祝うための準備をしている。
テーブルにパイを並べるニャッタ。森の中で始まる、お祝いの準備。

モーリーは思わず笑った。

「……誕生日、覚えててくれたんだね。きみを探して、森をずっと歩いたよ。」

その夜、冷たい霧の中に、あたたかな灯りがひとつ、そっとともった。

モーリーとニャッタが、夜の森でテーブルを囲んで笑い合っている。どんぐりのランタンが灯り、パイとコオロギプリンが置かれている。プリンには、モーリーの羽がそっと差し込まれている。背景にはアナグマが静かに見守っている。
モーリーの誕生日を祝う夜。ニャッタが用意したプリンには、モーリーの羽がそっと添えられていた。
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