森のひとコマ

森のひとコマ|秋のはじまり

秋の森に落ち葉が舞う広場と「森のひとコマ」の文字
モーリー

「星空アイススタンド」が夏の終わりとともに姿を消して、森の広場も少しずつ秋の装いに。

カサ…と、風が葉っぱの間をすり抜ける音と、

モーリーの羽音が、ひときわよく響く。

「夏、いっちゃったね」

ニャッタの声に、モーリーは小さくうなずいた。

「星空アイス、最後の日、ちょっとだけ並んだよね」

ふと思い出したように、ニャッタが言う。

「うん、レコルが3個買って冷凍してた」

モーリーが目を細めて笑った。

「まだ1個、取ってあるらしいよ。“秋の夜に食べるんだ”って」

ふたりは顔を見合わせて、ふっと笑った。

やわらかな秋の気配が、森をゆっくり包んでいった。

秋の森で並んで座るモーリーとニャッタ。奥には閉じたアイススタンドが見える。
星空アイス、また来年。
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