第四景|価格にあらわす

モーリー

数にする
森の奥まで来たところで、
モーリーが立ち止まった。

🦉 モーリー:
「ここまで来ると……この場所のことが、だいぶ見えてきたね。」

🐈 ニャッタ:
「うん。でも、まだ“価格”じゃないんだよね。」

🦉 モーリー:
「そう。見えてきた関係は、まだ価格じゃないんだ。」
「価格にするには、数に置き直す必要がある。」

「分析で見てきたことをね、
それぞれの手法の中に、ちゃんと置き直していくんだ。」

🐈 ニャッタ:
「数にする……?」

🦉 モーリー:
「この場所のことをね、
三つの見方で数に置き直していくんだ。」

― 三つの光

🦉 モーリー:
「同じ場所でもね、光の当て方が変わると、見え方が変わるんだ。」

🐈 ニャッタ:
「どう光をあてるの?」

🦉 モーリー:
「ひとつは——
これと同じものを、もう一度つくるとしたら、いくらかかるか。」

🐈 ニャッタ:
「作るのにお金がかかれば、その分価値も高い?」

🦉 モーリー:
「そうとも限らない。
市場で受け入れられなければ、その価格では取引されないからね。」

🐈 ニャッタ:
「じゃあ、“かかったお金”だけでは決まらないんだね。」

🦉 モーリー:
「もうひとつは——
似ている場所が、いくらで取引されているか。」

🐈 ニャッタ:
「同じものなんてないよね?」

🦉 モーリー:
「だから、似ているものがこの価格なら、
この場所は、このくらいの価格っていうふうに置き直して考えるんだ。」

🐈 ニャッタ:
「似ているものから、この場所を見直すんだ。」

🦉 モーリー:
「そしてもうひとつ——
その場所が、どれだけ収益を生み出すかをもとに考える。」

🐈 ニャッタ:
「収益を生み出す……?」

🦉 モーリー:
「人に貸した場合に、どれだけ収益を生むか。」
「それと要求利回りで価格を出すんだ。」

「……会議室で見た、あの見方でね。」

🐈 ニャッタ:
「会議室の話が、ここで戻ってくるんだね。」

🦉 モーリー:
「同じ要因でも、現れ方が変わるんだよ。」

🐈 ニャッタ:
「現れ方……?」

🦉 モーリー:
「どの手法で見るかによって、
どう織り込むかが変わるんだ。」

「どんな使われ方を前提にするかで、
見る材料も変わってくる。」

🐈 ニャッタ:
「でも、見え方は違ってたよね?」

🦉 モーリー:
「うん。」

「でもね——
三つの光は、別々のものを映しているわけじゃない。」

― どれが価格なの?

しばらく、ふたりは黙って立っていた。

🦉 モーリー:
「三つの光から、三つの価格が見えてきた。」

🐈 ニャッタ:
「……どれが、価格なの?」

🦉 モーリー:
「ある使われ方を前提にしたときに、
どんな需要者が想定されるか。」

「その見方が、それぞれの手法の中でどう現れているかを見る。」

「そして——
どんな材料からその価格が出てきたのかも見るんだ。」

「集めたものの量や、確かさによって、
見え方は変わってくるからね。」

「それも含めて重ねて見たときに、
価格のありどころが見えてくるんだ。」

🐈 ニャッタ:
「決まったやり方があるわけじゃないんだね。」

🦉 モーリー:
「うん。」

「でも——」
「需要者が、何と比べて判断するかをたどっていく。」

「その見方に、できるだけ近づけていく。」

「それが、価格にあらわすということなんだ。」

ニャッタは、静かにうなずいた。

🌌 星空ノート

比べる視点と、比べる対象が定まったとき、
価格は、ひとつの水準として見えはじめる。

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