森のひとコマ|ニャッタの夏の楽しみ
モーリー
ミッドナイト不動産鑑定
森の広場に、ちょうちんの灯りがゆらめく夏の夜。
ふだんは静かな木々のあいだに、
どこからかにぎやかな音と香ばしい香りが流れてきました。
どうやら今夜は、「森の夏まつり」の日。
屋台には、羽根をきちんとたたんだフクロウの団子屋さんと、
涼しい顔で立つペンギンのアイス屋さん。
こんがりと焼けた団子の香りと、甘いバニラの風が、広場をやさしくすりぬけていきます。
列に並ぶカエルとヤマネコは、それぞれ好きな味のアイスを手に、
お互いのアイスを見せ合いながら、うれしそうにほほえんでいます。
星がちらりと見える森の空の下、
広場にはやさしい笑い声があふれていました。
──ひと夏のページが、そっと森の広場に書き加えられていきます。