建物を見る
F01 規模・構造
延床面積・階数・各階面積・間取り・構造・築年数・建築仕様を確認する。
延床面積・階数・各階面積
登記簿記載の面積と現況を確認する。実測値と異なる場合がある。
間取り・位置
間取りや位置を確認する。登記上の用途と異なる場合がある。
構造
RC造・S造・木造など構造種別を確認する。
築年数
建築年月を確認する。耐震基準の適合判断に関わる。
建築仕様
仕上げ・設備仕様などを確認する。
F02 用途
登記上の用途・現況の用途・用途変更の有無を確認する。登記上の用途と現況が一致しない場合がある。用途変更が行われている場合は、確認申請の有無を確認する。用途地域の用途制限への適合も合わせて確認する。
F03 遵法性
既存不適格の有無・違反建築の有無・増改築履歴を確認する。建築確認済証・検査済証・台帳記載事項証明を確認する。増改築や用途変更がある場合は確認申請の有無を確認する。
既存不適格
建築時点では適法だったが、その後の法改正・都市計画変更により現行法に適合しなくなった状態。代表例として、建ぺい率・容積率の超過、用途地域変更による用途不適合、新耐震基準への不適合、斜線・日影規制への不適合がある。再建築・増築時には現行法が適用されるため、同規模での再建築ができない場合がある。
違反建築
建築確認を取得せずに建築・増改築したもの、または確認内容と異なる建築物。違反建築は是正命令の対象となるリスクがある。
確認済証・検査済証
建築確認済証、検査済証、台帳記載事項証明書(役所建築指導課で取得)、建築計画概要書、確認台帳記載事項記載証明書により確認する。古い建物では確認済証が存在しない、または検査済証のみが取れない場合がある。検査済証なしの建物については、現況調査報告書・台帳記載事項証明書で代替確認する。金融機関・買主の評価が分かれる点に留意する。
F04 性能・安全性
耐震性・耐火性・環境性能を確認する。
耐震性
建築確認申請日で新耐震基準(1981年6月1日以降)への適合を判断する。竣工日ではなく確認申請日で判断する点に注意。
木造住宅については、2000年6月1日以降の確認申請でさらに改正があり、接合金物の規定や耐力壁の配置バランスが強化された(いわゆる2000年基準)。木造住宅の評価では、1981年・2000年の二段階で耐震性能を区別する。
大規模建物ではPML値(予想最大損失率)を確認する。
耐火性
構造・仕上げから耐火性能を確認する。
環境性能
省エネ基準適合の有無・BELS等の評価を確認する。
F05 設備
給排水設備・電気・ガス・空調設備・昇降機・消防設備の種類と更新状況を確認する。設備は陳腐化するため、更新履歴と今後の更新計画を確認する。設備の更新時期は機能的耐用年数の判定および収益還元法のCAPEX見積りに影響する。
給排水設備
給排水管の素材・更新状況を確認する。
電気・ガス・空調設備
容量・方式・更新状況を確認する。
昇降機
エレベーターの有無・台数・更新状況を確認する。
消防設備
法定点検の実施状況を確認する。
F06 建物環境
有害物質の有無を確認する。目視では判断できない要因であり、除去費用や利用制約につながる可能性があるため注意が必要な項目である。
アスベスト
吹付材か含有成形材かを確認する。建築時期から使用の可能性を推定できる。
PCB
コンデンサ・リアクトル等の有無を確認する。役所での調査が必要になる場合がある。