地下資料室
不動産鑑定評価制度の根拠となる原典群
「地下資料室」は、不動産鑑定評価制度を支える原典を収めた場所です。
不動産鑑定評価基準や実務指針はどういう位置づけなのか。
地価公示はどんな制度なのか——制度上の根拠へ静かに立ち返りたいとき、ここへ。
棚の全体構成
| 棚 | 区分 | 発行元 |
| 棚 I | 制度根拠法令 | 国(法律・政令・省令) |
| 棚 II | 鑑定評価基準・留意事項 | 国土交通省 |
| 棚 III | ガイドライン・基本的考え方 | 国土交通省 |
| 棚 IV | 実務指針 | 日本不動産鑑定士協会連合会 |
| 棚 V | 業務指針 | 日本不動産鑑定士協会連合会 |
| 棚 VI | 公的評価(地価公示・地価調査) | 国・都道府県 |
棚 I 制度根拠法令
不動産鑑定評価という制度を法律上に根拠づけている法令群。不動産鑑定士という国家資格の設置、鑑定業者の規制、地価公示制度の運用——これらを定めた法律・政令・省令が収められている。
土地基本法(平成元年法律第84号)
発行元:国(国会)
最終改正:令和2年(2020年)
位置付け
土地に関する基本理念と、国・地方公共団体・事業者・国民それぞれの責務を定めた理念法。不動産鑑定評価制度を含む、土地に関するすべての法制度の基礎となる考え方を示している。令和2年改正では、所有者不明土地への対応が新たに加えられた。
一言で言うと
土地に関する制度全体の基礎となる理念法。不動産鑑定評価制度もこの法律の趣旨のうえに成立している。
不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号)
通称:不動産鑑定評価法
発行元:国(国会)
最終改正:令和7年(2025年)6月1日施行
位置付け
不動産鑑定士の資格・登録・業務の範囲と、不動産鑑定業者の登録・監督などを定めた根拠法。この法律に基づき、不動産鑑定士が国家資格として設置され、鑑定評価書が法的効力をもつ。鑑定評価制度のすべての起点。
一言で言うと
不動産鑑定士という資格を設置し、業務の範囲と規制を定めた根拠法。制度全体の出発点。
公式資料
e-Gov 法令検索(不動産の鑑定評価に関する法律)
不動産の鑑定評価に関する法律施行令(昭和39年政令第5号)
発行元:国(内閣)
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
不動産鑑定評価法を受けた政令。鑑定士試験の科目・方法、登録に関する手続きの細則などを規定する。
一言で言うと
法律の内容を具体化した政令。試験・登録の手続きを定めている。
公式資料
e-Gov 法令検索(施行令)
不動産の鑑定評価に関する法律施行規則(昭和39年建設省令第9号)
発行元:国(国土交通省)
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
政令をさらに受けた省令。業者登録の申請書式、書類の記載事項など、手続き上の細則を定める。
一言で言うと
法律・政令の内容を申請手続きのレベルまで具体化した省令。
公式資料
e-Gov 法令検索(施行規則)
地価公示法(昭和44年法律第49号)
発行元:国(国会)
最終改正:平成26年(2014年)5月30日
位置付け
地価公示制度の根拠法。土地鑑定委員会が毎年標準地の正常価格を公示する仕組みを定める。公共用地取得の補償算定の基準、不動産鑑定評価基準への準拠などに用いられる。不動産鑑定士が公的評価に関わる法的根拠のひとつ。
一言で言うと
地価公示という公的制度を定めた法律。不動産鑑定士が毎年評価を担う地価公示の法的根拠。
棚 II 鑑定評価基準・留意事項
国土交通省が定める、不動産鑑定評価の統一的なルール。すべての不動産鑑定士が準拠しなければならない中核的文書。鑑定評価の手法・物件種別ごとの考え方が体系的に整理されている。
不動産鑑定評価基準
発行元:国土交通省
最終改正:平成26年(2014年)5月1日(一部改正)
位置付け
不動産の鑑定評価を行うにあたっての統一的な基準。総論(評価の基本的事項・手法)と各論(物件種別ごとの評価方法)で構成される。昭和44年に制定され、複数回の改正を経た現行版。不動産鑑定士が評価を行う際の法令上の準拠基準。
一言で言うと
すべての不動産鑑定評価が準拠する統一ルール。評価手法と物件種別ごとの考え方が体系的に定められている。
不動産鑑定評価基準運用上の留意事項
発行元:国土交通省
最終改正:平成26年(2014年)5月1日(一部改正)
位置付け
不動産鑑定評価基準の各条文を実務に適用する際の解釈・注意点を補足した文書。基準とあわせて一体として参照する。個別具体的な場面での適用判断の手がかりを示す。
一言で言うと
評価基準の条文を実務でどう適用するかを補足した文書。基準と合わせて参照する。
棚 III ガイドライン・基本的考え方(国土交通省)
評価基準を補完し、特定の依頼場面・業務場面での対応方法を示した国土交通省の指針群。証券化・財務諸表・海外不動産など、場面・目的別に整理されている。
価格等調査ガイドライン
正式名:不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン
発行元:国土交通省
最終改正:平成26年(2014年)5月1日(一部改正)
位置付け
依頼者との間で確定すべき業務の目的・範囲・前提条件と、成果報告書に記載すべき事項を定めたガイドライン。不動産鑑定評価書に限らず「価格等調査」全般を対象とする。どの段階で何を確認・記録するかの枠組みを示す。
一言で言うと
依頼を受ける際に何を確認し、報告書に何を記載するかを定めたガイドライン。
価格等調査ガイドライン運用上の留意事項
発行元:国土交通省
最終改正:令和3年(2021年)8月30日(一部改正)
位置付け
価格等調査ガイドラインを実務に適用する際の解釈・補足。令和3年改正では、行政手続き上の押印廃止に伴う改正が含まれる。
一言で言うと
ガイドラインの実務適用上の注意点を補足した文書。押印廃止等の制度変更を反映している。
財務諸表のための価格調査の実施に関する基本的考え方
発行元:国土交通省
最終改正:平成26年(2014年)10月30日(一部改正)
位置付け
企業が財務諸表(貸借対照表等)を作成する際に不動産の時価評価が求められる場面での、価格調査実施の基本的な考え方を示した指針。IFRS(国際財務報告基準)や日本の会計基準への対応を想定して策定されている。
一言で言うと
財務諸表上の不動産時価評価に対応するための指針。会計目的の価格調査を担う場面で参照する。
証券化対象不動産の継続評価の実施に関する留意点
発行元:国土交通省
最終改正:平成26年(2014年)11月1日(適用)
位置付け
J-REIT や不動産ファンド等において、同一物件を継続して鑑定評価する場面での注意事項。評価の継続性・一貫性の確保と、評価上の判断基準を示す。
一言で言うと
不動産証券化において同じ物件を繰り返し評価するときの留意点をまとめた文書。
海外投資不動産鑑定評価ガイドライン
発行元:国土交通省
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
日本の不動産鑑定士が海外に所在する不動産を評価する際の標準的な考え方を示したガイドライン。国内基準の枠組みを海外物件に適用する際の指針となる。
一言で言うと
日本の鑑定士が海外不動産を評価するときの指針。
棚 IV 実務指針(日本不動産鑑定士協会連合会)
日本不動産鑑定士協会連合会が定める、物件種別・依頼目的ごとの実務上の指針。国土交通省の評価基準・ガイドラインを受けて、より具体的な場面での判断の根拠を示している。評価基準では触れられていない物件種別固有の考え方や、依頼場面ごとの対応を整理した資料群。
不動産鑑定評価基準に関する実務指針(平成26年改正対応版)
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
平成26年の不動産鑑定評価基準改正に対応した実務上の解釈・適用方法を示した指針。改正された基準の各項目を実務でどのように読み解くかを詳述する。
一言で言うと
平成26年改正の鑑定評価基準を実務に適用するための解釈指針。
「価格等調査ガイドライン」の取扱いに関する実務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
国土交通省の価格等調査ガイドラインを実際の業務でどのように適用するかを補足した指針。依頼の種類ごとの対応や、記載事項の判断基準を示す。
一言で言うと
国交省ガイドラインを実務レベルで使うための手引き。
証券化対象不動産の鑑定評価に関する実務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
J-REIT 等の不動産証券化において対象不動産を鑑定評価する際の実務的な考え方を示した指針。DCF 法の適用方法や収益性に関する判断基準など、証券化評価に特有の実務上の指針を含む。
一言で言うと
不動産証券化(REIT・ファンド)で物件を評価するときの実務指針。
財務諸表のための価格調査に関する実務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
国土交通省の「財務諸表のための価格調査の実施に関する基本的考え方」を受けて、財務諸表目的の価格調査に際して鑑定士が注意すべき実務上の事項をまとめた指針。
一言で言うと
会計・財務諸表目的の価格調査を担う際の実務上の注意点をまとめた指針。
担保不動産の鑑定評価に関する実務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
金融機関等からの依頼で担保不動産を評価する場面での実務上の指針。担保評価に特有の注意点、依頼者との関係、評価上の考慮事項などを整理している。
一言で言うと
金融機関等の依頼による担保評価の場面で参照する実務指針。
農地の鑑定評価に関する実務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
農地法による利用規制があり、価格形成のしくみが宅地等とは大きく異なる農地について、評価上の考え方を整理した指針。農地固有の市場性・規制との関係を踏まえた評価方法を示す。
一言で言うと
農地法の規制下にある農地を評価する際の専用指針。
会社法上の現物出資の目的となる不動産の鑑定評価に関する実務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
会社の設立・増資等において不動産を現物出資する際に、会社法上の手続きとして求められる鑑定評価について、実務上の考え方を示した指針。
一言で言うと
会社設立・増資のための現物出資に関わる評価の実務指針。
所有者不明土地の利活用のための地域福利増進事業に係る鑑定評価等に関する実務指針(令和5年)
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:令和5年(2023年)
位置付け
「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」に基づく地域福利増進事業において、鑑定評価等が求められる場面への対応を示した指針。近年の法整備に対応した実務上の手引き。
一言で言うと
所有者不明土地を公益的に活用する事業に関わる評価の実務指針。近年の法改正を反映している。
棚 V 業務指針(日本不動産鑑定士協会連合会)
評価の方法論ではなく、業務の進め方・社内体制・手続きに関するルールを定めた指針群。実務指針が「どのように評価するか」を定めるのに対し、業務指針は「どのように業務を運営するか」を定める。依頼の受け方、契約書の作成、業者の社内体制、個人情報の取り扱いなど、業務運営の適正化に関わる内容が中心。
不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
不動産鑑定業者が適正に業務を行うための社内体制・管理態勢の在り方を示した指針。業者が業務品質を維持・管理するための組織的枠組みを定める。
一言で言うと
鑑定業者の社内体制・管理態勢に関する指針。
不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
複数の鑑定士・鑑定業者が関わる案件において、役割分担の明確化と業者間の業務提携に関するルールを示した指針。
一言で言うと
複数の鑑定士・業者が関わる案件での役割と提携のルールに関する指針。
価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
依頼者との間で締結する価格等調査業務の委任契約書の作成に関する指針。「価格等調査業務標準委任約款」とあわせて使用する。
一言で言うと
業務委任契約書の作成に関する指針。標準委任約款とあわせて使う。
価格等調査業務標準委任約款
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
価格等調査業務の委任契約に使用する標準書式。前項の「契約書作成に関する業務指針」とともに使用する。
一言で言うと
業務委任契約の標準書式。
証券化対象不動産の鑑定評価業務を実施する場合における不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針細則
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
不動産証券化に関わる評価業務を行う場合の業者態勢に関する細則。業務実施態勢指針を証券化業務向けに詳細化したもの。
一言で言うと
証券化評価業務を行う際の業者態勢に関する細則。
行政庁からの業務発注に係る独占禁止法等法令遵守に関する業務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
国・地方公共団体等から業務発注を受ける際の、独占禁止法等競争法上の遵守事項に関する指針。
一言で言うと
行政からの発注を受ける場合の競争法遵守に関する指針。
不動産の鑑定評価等業務に係る個人情報の保護に関する業務指針
発行元:日本不動産鑑定士協会連合会
最終改正:最新版は発行元公式サイトにて確認
位置付け
鑑定評価業務において取り扱う個人情報の管理・保護に関する指針。個人情報保護法を踏まえた業務上の対応を定める。
一言で言うと
業務上の個人情報管理に関する指針。
棚 VI 公的評価(地価公示・地価調査)
国・都道府県が毎年公表する土地の価格に関する公的制度。不動産鑑定士が評価を担い、土地取引・公共事業・制度上の参照基準として機能している。地価公示・地価調査はそれぞれ根拠法令(地価公示法、国土利用計画法施行令)に基づく制度であり、公共用地取得の補償算定や土地取引価格の指標として法令上位置づけられている。
地価公示(国土交通省 / 土地鑑定委員会)
発行元:土地鑑定委員会(国土交通省所管)
根拠法:令地価公示法(昭和44年法律第49号)
更新:毎年3月公示(1月1日時点の価格)
位置付け
毎年1月1日時点の標準地の正常価格を3月に公示する制度。2人以上の不動産鑑定士が各標準地を評価し、土地鑑定委員会が調整・公示する。公共用地の取得補償算定の基準、不動産取引価格の指標として法令上位置づけられている。固定資産税評価額の基準としても参照される。
一言で言うと
毎年3月に国が公示する標準地の正常価格。公共事業の補償や土地取引の価格判断に法令上参照される公的指標。不動産鑑定士が評価を担う。
公式資料(価格閲覧)
国土交通省 土地総合情報システム(地価公示)
都道府県地価調査(都道府県 / 国土交通省)
発行元:各都道府県
根拠法令:国土利用計画法施行令第9条
更新:毎年9月公表(7月1日時点の価格)
位置付け
都道府県が毎年7月1日時点の基準地の標準価格を9月に公表する制度。地価公示を補完し、地価公示の対象外となる地域や林地などの用途区分もカバーする。不動産鑑定士が評価を担う。国土利用計画法に基づく土地取引の届出制度において、価格審査の基準としても機能する。
一言で言うと
毎年9月に都道府県が公表する基準地の価格。地価公示と合わせて年2回の地価動向を確認できる。
公式資料(価格閲覧)
国土交通省 土地総合情報システム(都道府県地価調査)
整理:2026年5月
