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レコル出版|価格を読む仕事──不動産鑑定士のなり方

モーリー
Contents
  1. 凡例 ―― 本書の読み方について
  2. はじめに ―― この本の位置づけと、読み解きかた
  3. 第一章 不動産鑑定士とは ―― 価格を読む仕事
  4. 第二章 なるまでの全体像 ―― 流れ・期間・費用
  5. 第三章 国家試験 ―― 制度のかたち
  6. 第四章 令和八年 受験ガイド
  7. 第五章 実務修習と修了考査
  8. 第六章 登録と仕事の開始
  9. 終わりに 余白を残して
  10. 資料編一 制度を支える団体
  11. 資料編二 制度の移り変わり(令和三年〜令和八年)
  12. 巻末 この本の原典

読者のみなさんへ

🐿️ レコル:この本はね、不動産鑑定士という仕事と、そこへ向かう道すじをいっしょに読んでいく本だよ。「価格を読む仕事」へ向かう入口、という気持ちで、流れを追いながら読んでみてね。

この本は、不動産鑑定士という仕事と、そこへ向かう制度上の道すじについて、リスのレコルが夜の森の中で、国土交通省などが公表する一次資料を静かに読み直し、本の形にしたものです。価格を読むという仕事と、その入口にある手続きを、流れが見えるように編集しました。

確かめられた事実はそのまま記し、年度や改正で変わり得る箇所には、その都度「最新の原典の確認が必要」と添えました。制度には、その時代の背景や、守ろうとしている考え方が映されています。たとえば、鑑定評価を資格者だけに任せるしくみは、社会のあちこちで参照される価格の信頼性を守るためのものです。手続きの一つひとつが何のためにあるのか、という視点も、少しずつ書き添えました。

読みながら、ご自分の道すじを、ご自分のペースで考えていただければと思います。

レコル出版 編集室

凡例 ―― 本書の読み方について

一 本書は、不動産鑑定士の試験制度と実務修習、登録制度を中心に、国土交通省(土地鑑定委員会)と公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(以下、連合会またはJAREA)の一次資料を読み直し、整理したものです。

二 各章の要所には、〈流れ/実施主体/根拠資料/注意点〉をまとめた「制度カード」を置きました。本文は、その制度カードを起点に、資料の文言を踏まえて読み解いています。

三 本文中の年月日や金額、施行日などは、特に断りがない場合、令和八年(二〇二六年)試験および令和七年十二月開講の第二十回実務修習を中心とする、本書整理時点(二〇二六年六月二十日)の公表内容に基づきます。

四 年度や改正によって変わり得る箇所には、文末などに「最新の原典の確認が必要」と添えました。読まれる時点の最新版を、必ず公的な一次資料でお確かめください。

五 巻末には、本文の執筆にあたって実際に参考にした原典の一覧(この本の原典)を載せました。原典に直接あたる際の手がかりとしていただければと思います。

はじめに ―― この本の位置づけと、読み解きかた

この本は、書籍『価格を読む仕事 ―― 不動産鑑定士のなり方』(レコル出版、夜の森図書館)の本編にあたります。本編は、(一)不動産鑑定士という仕事、(二)資格取得までの全体像、(三)国家試験の制度、(四)令和八年試験の受験ガイド、(五)実務修習と修了考査、(六)登録と仕事の開始、の六章で構成し、巻末に、制度を支える団体、制度の移り変わり、この本の原典を置きました。

情報源は、凡例に記したとおり、国土交通省(土地鑑定委員会)と連合会が公表する制度上の一次資料――受験案内・施行通知・登録様式類、受講申請案内書・実務修習業務規程・受講の手引・修了考査受験案内など――に限り、予備校や受験産業の二次資料は、原則として参照していません。

読みかたとしては、制度を「正しく暗記する」ためではなく、「何のためにその手続きがあるのか」をたどることを大切にしました。不動産鑑定士になる道すじは、〈試験〉〈実務修習〉〈登録〉という三つの段を、順に上がっていく構造になっています。その全体の流れを見失わないように、まず第一章と第二章で輪郭をつかみ、第三章から各段の中身に入っていく、という順番で並べています。

ただし、不動産鑑定士試験は年度ごとに「適用基準日」が指定され、令和八年試験は令和七年九月一日時点で施行されている法令から出題されるなど、年度ごとに細部が動きます。実務修習や登録の手続きも、規程の改正や様式の更新が随時行われます。本書を参照される際は、必ず適用年度の最新版を、国土交通省や連合会の公表資料で直接ご確認ください。

第一章 不動産鑑定士とは ―― 価格を読む仕事

🐿️ レコル:まずは、不動産鑑定士がどんな仕事をする人なのかを見ていくよ。「どんな場面で価格が求められるのか」を意識すると、あとの制度の話もつながりやすいよ。

制度カード

不動産鑑定士制度の全体像・流れ ①短答式試験 → ②論文式試験 → ③実務修習(一年または二年)→ ④修了考査 → ⑤国土交通大臣の登録(不動産鑑定士名簿への登録)。・実施主体 ①②は国土交通省 土地鑑定委員会、③④は国土交通大臣の登録を受けた実務修習機関(現在は連合会のみ)、⑤は国土交通大臣(事務窓口は地方整備局等)。・根拠資料 「不動産鑑定士になるには」(国交省ポータル)/「不動産の鑑定評価に関する法律」(昭和三十八年法律第百五十二号)および同法施行令・施行規則。・注意点 論文式合格者に対して、実務修習の申込案内などが個別に送付されるとは限らない。各段階の手続きは、受験者・修習生本人が公的な情報源にあたって進めることが前提になる。

一 制度の趣旨

不動産鑑定士は、「不動産の鑑定評価に関する法律」(昭和三十八年法律第百五十二号)に規定された国家資格です。国土交通省のポータル「不動産鑑定士になるには」も、「不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に規定された国家資格です」と、まずひとことで定義を置いています。

法律に定める「不動産の鑑定評価」を行えるのは、不動産鑑定士に限られます。これは、不動産会社が売却価格の目安を示す「査定」とは異なります。鑑定評価を担当する個人には「不動産鑑定士の登録」が必要で、さらに、依頼を受けて鑑定評価を事業として行う個人事業主や会社には、「不動産鑑定業者の登録」が必要です(鑑定会社に勤務して評価を行う場合、業者登録を行うのは勤務先です。この個人と事業者の二層構造は、第六章でくわしく扱います)。不動産鑑定士は、地価公示をはじめ、相続税路線価や固定資産税評価に関係する公的土地評価、企業会計、訴訟、補償、税務など、公的・私的のさまざまな場面で専門的な評価に関与しています。価格が社会のあちこちで参照されるからこそ、その担い手には資格という形で質が求められている、と読むことができます。

制度は、〈国家試験〉〈国が定める実務修習〉〈国土交通大臣の登録〉という三段構えになっています。試験で学識と応用能力を確かめ、実務修習で評価実務に就くための技能を身につけ、登録によって国の名簿に名前が記される。資格の取得は、この三つを順に通り抜けていく道すじとして整理できます。

価格は、ただの数字ではありません。不動産鑑定士は、土地や建物の状態、法令上の制限、周辺の取引事例、賃料収入などを調べ、根拠を示して不動産の経済価値を判定します。本書では、この仕事を「価格を読む仕事」と表現しています。その数字がどのような根拠から導かれるのかを考えることこそが、価格を読む仕事の出発点になります。

第二章 なるまでの全体像 ―― 流れ・期間・費用

🐿️ レコル:ここでは、合格してから登録までの道のりを、ざっくり地図にしてみるよ。「どのくらいの時間とお金がかかるのか」を先につかんでおくと、迷子になりにくいよ。

一 全体フロー

試験は、短答式が例年五月、論文式が例年八月(三日間)に実施されます。論文式に合格した人は、一二月から始まる実務修習に進み、一年コースまたは二年コースのいずれかを選びます。学ぶ内容は原則として同じで、講義や演習を進める速さ(修習にかける期間)が異なります。実務修習は、講義・基本演習・実地演習の三単元と、修了考査によって構成されています。

修了考査の判定が出たのち、国土交通大臣による実務修習の修了確認が行われます。その結果は、当該修了考査年度の三月末までに本人へ通知され、この通知を受けた後に、初めて不動産鑑定士の登録を申請できるようになります。

二 所要期間の目安

標準的なケースでは、論文式合格から不動産鑑定士登録まで、一年コースで約一年半、二年コースで約二年半が目安になります。この長さは、国家試験に、国が制度を定めた実務修習を重ねるという制度設計から生じている、と読めます。実務経験を持つ人を対象とした「みなし履修」など、修習の負担を一部軽くする仕組みもあります(第五章で扱います)。下の表は、論文式合格から登録までの時間の流れを一枚にまとめたものです(一年コースの場合)。

時期できごと
一〇月論文式試験の合格発表
一二月一日実務修習が開講
翌年一一月三〇日実務修習の全課程を修了(二年コースは翌々年の一一月三〇日)
修了の翌一〜二月修了考査(記述の考査・口述の考査)
同年三月末まで修了確認の通知(この通知をもって登録申請が可能に)
通知後国土交通大臣への登録申請 → 不動産鑑定士名簿への登録 → 業務開始

※ 時期は標準的な目安です。実際の日程は年度ごとに前後します。

三 費用の見通し

受験にかかる手数料は、令和八年試験で、電子申請が一万二千八百円、書面申請が一万三千円です。短答式や論文式科目の免除がある場合も同額で、いずれの場合も返還はされません。

実務修習には、これとは別に、連合会へ納める受講料がかかります(必須の費用です)。さらに、実地演習を受け入れる機関への指導料や、東京会場での基本演習に通うための交通・宿泊費が、別途生じる場合があります(金額や有無は機関・コースによって変わります)。受験料だけでなく、これらを含めて資金計画を立てておくと安心です。金額はコースや機関によって異なり、実地演習を実施する鑑定業者の判断により、指導料金が減額または免除される場合もあります。具体的な額は、年度ごとに、連合会の受講申請案内書および各実施機関の案内でご確認ください。費目の全体像は、下の表のように整理できます。

費目金額の目安補足
受験手数料電子一万二千八百円・書面一万三千円(令和八年)科目免除があっても同額。返還なし
実務修習 受講料コース・年度により異なる連合会の受講申請案内書で確認
実地演習 指導料実施機関により異なる(減額・免除あり)受け入れ機関へ別途支払う場合がある
交通・宿泊費居住地により変動基本演習(東京・対面)や実地演習に伴い発生
登録時の費用登録免許税ほか所定の費用不動産鑑定士登録。業を営む場合は鑑定業者登録も必要

※ 金額は本書整理時点の目安です。受講料・指導料・登録時の費用の具体額は、年度版の案内・様式で必ずご確認ください。

一年半、あるいは二年半。短くはありません。けれど、その時間の一つひとつに、価格を読む力を育てる意味が置かれている、と読むことができます。

第三章 国家試験 ―― 制度のかたち

🐿️ レコル:この章は、年度が変わってもあまり動かない「試験の骨組み」を読んでいくよ。日付や会場みたいに毎年動くところは、次の第四章にまとめておいたよ。

この章では、試験を「誰が、どんな決まりで」実施しているのか、年度によって動きにくい制度の骨格を読み解きます。年度ごとに動く日程・会場・手数料などは、次の第四章「令和八年 受験ガイド」にまとめました。

制度カード

不動産鑑定士試験・流れ 受験申込(二月)→ 短答式(五月)→ 短答式合格発表(六月)→ 論文式(八月)→ 論文式合格発表(一〇月)。・実施主体 国土交通省 土地鑑定委員会。事務局は不動産・建設経済局 土地経済課 不動産鑑定士係(電話 〇三-五二五三-八三七八)。・根拠資料 「令和●年不動産鑑定士試験受験案内」(毎年二月公表のPDF)/「令和●年不動産鑑定士試験の施行について」(前年一一月公表のPDF)。・注意点 受験案内・電子申請の様式は毎年度改訂される。前年度のPDFをそのまま流用することはできない。

一 試験の目的と方法

受験案内は、試験の目的を、「不動産鑑定士になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定すること」と置き、短答式及び論文式による筆記の方法で行う、としています(受験案内 1.(1))。二段階の筆記試験で、短答式に合格した人だけが論文式に進む構造です。

短答式の合格は、その合格年だけのものではありません。受験案内 7.(1)は、「短答式試験に合格した者は、当該短答式試験の合格発表の日から起算して二年を経過する日までに行われる短答式試験が免除されます」としています。つまり、合格年の論文式に加え、翌年・翌々年も短答式の免除を申請して論文式を受験することができ、通常は合格年を含めて三回の論文式受験機会がある、と整理できます。

二 受験資格

受験資格は、年齢、学歴、国籍、実務経験のいずれも問いません。誰でも、まず短答式から受験できます。論文式は、当年の短答式合格者か、前二年以内の短答式合格者で当年に短答式免除を申請した人が受験できます。短答式に合格した年を含め、通常は三回、短答式を受けずに論文式へ進めるという仕組みと、論文式の受験資格は、表裏をなしていると見ておくと整理しやすいです。

三 試験科目

短答式(マークシート方式)は二科目です。①不動産に関する行政法規(土地基本法、不動産の鑑定評価に関する法律、地価公示法、都市計画法、建築基準法ほか)、②不動産の鑑定評価に関する理論(不動産鑑定評価基準等)。

論文式は四科目です。①民法(物権・債権を中心に、借地借家法、区分所有法を含む)、②経済学(ミクロ・マクロ)、③会計学(財務会計論)、④不動産の鑑定評価に関する理論(論文式二コマと演習一コマの計三コマ)。

短答式が鑑定評価をめぐる法令と理論を、論文式がその基礎となる民法・経済学・会計学と、鑑定評価理論そのものを問う。鑑定評価が、法と経済と会計の交わるところで行われる仕事であることが、科目構成からも見えてきます。

四 短答式の出題範囲

「不動産に関する行政法規」の出題対象は、中心となる十八法令と、追加の十九法令です。したがって、対象となる法令は合計三十七あります。

核となる十八法令は、土地基本法、不動産の鑑定評価に関する法律、地価公示法、国土利用計画法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、建築基準法、マンション建替円滑化法、不動産登記法、土地収用法、土壌汚染対策法、文化財保護法、農地法、所得税法(一部)、法人税法(一部)、租税特別措置法(一部)、地方税法です。

これに加わる十九法令は、都市緑地法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、宅地造成及び特定盛土等規制法、宅地建物取引業法、自然公園法、自然環境保全法、森林法、道路法、河川法、海岸法、公有水面埋立法、国有財産法、相続税法、景観法、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、不動産特定共同事業法、資産の流動化に関する法律、投資信託及び投資法人に関する法律、金融商品取引法です(後段の各法令には、一部の条文に限って出題対象とされるものも含まれます)。「不動産の鑑定評価に関する理論」は、不動産鑑定評価基準および同運用上の留意事項から出題されます。

なお、宅地造成等規制法は、令和五年五月二六日施行の「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)に名称・内容ともに改められ、最新の受験案内ではこの新名称で記載されています。盛土による災害をふせぐという問題意識が、法律の名前そのものに表れた改正、と読むこともできます。法令の名称は改正で動くため、後述の出題基準日と合わせて確認しておきたいところです。

五 論文式の構成

論文式のうち「不動産の鑑定評価に関する理論」は三コマに分かれ、そのうちの一コマが演習、すなわち事例形式の総合問題です。

六 合格基準

短答式は総合点で概ね七割、論文式は総合点で概ね六割を基準に、土地鑑定委員会が「相当と認めた得点」を合格点とします。いずれも、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とする、いわゆる足切り点が設けられています。科目免除を受けた受験者については、土地鑑定委員会が、実際に受験した科目の得点を偏差値などで調整して、総合点を算出します。

七 出題基準日

受験準備で特に意識しておきたいのが「出題基準日」です。受験案内 1.(3)は、「いずれの科目についても令和七年九月一日時点で施行されているものから出題します」としています。令和八年試験では、令和七年九月一日時点で施行されている法令・規程(不動産鑑定評価基準等を含む)から出題され、それより後に施行された改正は、当年試験では問われません。ただし、この基準日は年度ごとに受験案内で指定されるものです。「前年の九月一日」と固定して覚えるのではなく、受験する年の受験案内で必ず確かめてください。

毎年、夏から秋にかけて法令の改正情報が出てきますが、九月一日という線が一本引かれています。九月一日より後に施行された改正は、その年の試験では出題対象になりません。年表を眺めるときに、この「九月一日基準」を意識しておくと、資料を読み違えにくくなります。

八 持込み品の基本ルール

短答式では、計算機・電卓は使用できません。マークには黒鉛筆(BまたはHB)を使用し、シャープペンシルは使用できません(メモ等での使用は認められています)。スマートウォッチ、スマートグラス、イヤホンといったウェアラブル端末の着用も禁止されています。

論文式では、電卓は会計学と演習のコマでのみ使用できます。電卓は、電源内蔵式で、印字・プログラム・関数電卓・金利計算の各機能を持たない計算機能のみのものに限り、一台だけ持ち込めます。修正液および消えるボールペンは、いずれの科目でも使用できません。持込み品の細部は年度ごとに見直されることがあるため、受験前にその年の受験案内で確認しておきたいところです。

誰でも入口に立つことができ、短答式試験に合格すると、一定期間は論文式試験を受験する機会が与えられます。そして、その年の出題範囲には九月一日という基準日が置かれています。試験制度の輪郭が見えてくると、準備が進めやすくなります。

第四章 令和八年 受験ガイド

🐿️ レコル:ここからは令和八年版の「実際の日付と手続き」だよ。数字や私書箱番号は毎年動くから、出願のときは必ず当年の受験案内(原典)でも確かめてね。

【令和八年版】 この章は、令和八年試験の具体的な日程・会場・手数料・手続きをまとめた、その年かぎりの案内です。ここに記した金額・期日・私書箱番号などは令和八年試験のものであり、翌年以降は必ず変わります。別の年度に読まれる場合は、本章の数字をそのまま使わず、必ず当年度版の受験案内(原典)で置き換えてください。

制度カード

受験案内(受験手続)・流れ 願書配布(二月上旬)→ 申込(電子申請または郵送)→ 受験票郵送(短答式は五月上旬、論文式は七月中旬)→ 受験 → 合格発表。・実施主体 国土交通省 土地鑑定委員会事務局。願書受付・確認業務は日本通信紙株式会社へ委託されている。・根拠資料 「令和八年不動産鑑定士試験受験案内」、「電子申請による受験申込みについて」、「願書配布先」(いずれも国交省PDF)。・注意点 受験手数料(電子一万二千八百円/書面一万三千円)は、誤納・取下げ・欠席のいずれの場合も返還されない。短答式試験地は、申込後の変更ができない。

一 日程の全体像(令和八年試験)

短答式は五月一七日(日)、論文式は八月一日(土)から三日(月)の三日間です。合格発表は、短答式が六月二四日(水)、論文式が一〇月一六日(金)に、いずれも一〇時に国土交通省ウェブサイトで公表されます。

二 願書配布・受付期間

願書の配布期間は二月四日(水)から三月六日(金)、受付期間は二月五日(木)から三月六日(金)(郵送は同日消印有効)です。受験願書の送信が完了し、e-Govで受け付けられた状態になった時点で受付とみなされ、三月六日二四時まで受け付けられます。書面用紙は、北海道開発局・地方整備局・内閣府沖縄総合事務局、ならびに各都道府県の不動産鑑定士協会で配布されます。

三 申込方法と手数料

申請方法は二系統です。電子申請は、e-Govに受験願書(指定のExcel様式)と顔写真JPEGを送信し、納付期限(令和八年は三月一一日)までに、収納機関番号で一万二千八百円を電子納付します。電子申請は電子納付に限られ、領収書は発行されません。

書面申請は、受験願書を簡易書留または書留で、千葉県印西市中央南二の四の私書箱(日本郵便株式会社印西郵便局私書箱七号)宛に郵送します。手数料は収入印紙一万三千円を願書に貼付して納めます。どちらの様式で出すかを早い段階で決めておくと、後の手戻りが減ります。

四 受験票・試験地

短答式試験地は、札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の十地区。論文式試験地は、東京・大阪・福岡の三地区です。短答式の試験地は、申込後の変更が認められません。論文式は、遠隔地への転勤等のやむを得ない事情に限り、令和八年試験では六月三〇日(火)までに変更届を提出すれば変更でき、それ以降は受け付けられません。

受験票は、短答式が五月上旬、論文式が七月中旬に郵送されます。短答式は五月一二日、論文式は七月二二日までに到着しない場合は、土地鑑定委員会事務局へ連絡します。個別の試験場(建物名)は、試験日の一か月前までに国土交通省ウェブサイトで公表され、受験票にも記載されます。

五 試験当日の進行

短答式・論文式とも、各試験日は、九時一五分開場、九時四五分着席(受験上の注意・問題配付)です。午前の試験は一〇時から一二時、午後は一三時三〇分から一五時三〇分です(午後は一三時一五分着席)。

試験開始時刻までに入室しない場合は、原則として受験を認められません。また、論文式試験で、免除を申請した科目以外の科目を欠席した場合は、その日以降の受験が無効となり、以後の科目を受験することはできません。試験時間終了前の答案提出・退出は認められません。受験した科目の問題用紙は、試験終了後に持ち帰ることができます。

論文式の日程は、八月一日が午前・民法、午後・経済学。八月二日が午前・会計学、午後・不動産の鑑定評価に関する理論。八月三日が午前・同理論、午後・その演習です。

六 合格発表の流れ

短答式は、六月二四日(水)一〇時にウェブで受験番号が公表され、七月二日(木)までに合格通知書が到着、七月三日(金)に官報公告されます。論文式は、一〇月一六日(金)一〇時にウェブで公表され(官報には受験番号と氏名を掲載)、一〇月二六日(月)までに合格証書が到着、一一月二日(月)に官報公告されます。電話による合否照会には一切応じない取り扱いです。

なお令和七年からは、合格者にも、総得点・総合順位・科目別得点を記載した成績通知書が交付されるようになりました。受験案内 7.(5)は、「令和七年から新たに合格者に対しても論文式試験結果の成績通知書を配布することに致しました」と明記しています。従来は不合格者のみに交付されていた仕組みを改めたもので、合格者の自己分析にも資する変更、と読めます。

七 科目免除・特別措置

公認会計士試験合格者は、論文式の会計学に加えて、当該試験で受験した科目(民法または経済学)の免除を申請できます。司法試験合格者(司法修習生となる資格を得た人)は、民法の免除を申請できます。大学等で三年以上、対応する科目(法律学・経済学・商学)の教授・准教授(助教授)の職にあった人、博士の学位授与者も、該当する科目の免除を申請できます。身体上の障害等による特別措置は、願書提出前に土地鑑定委員会事務局への事前相談が必要です。

受験案内は毎年改訂されます。同じ書式に見えても、日付や金額、私書箱番号が動くことがあります。当年度版の受験案内を、原典でお確かめください。

第五章 実務修習と修了考査

🐿️ レコル:合格のあとに待っているのが、この実務修習だよ。試験勉強から一歩進んだ「実務を身につける期間」。三つの単元と修了考査を、順番に見ていこうね。

制度カード

実務修習・流れ 受講申請(一一月)→ 一二月一日開講 → 講義(eラーニング)→ 基本演習(東京・対面)→ 実地演習(指導鑑定士のもとで)→ 修了考査(全課程修了後)。・実施主体 国土交通大臣の登録を受けた実務修習機関。本書整理時点では、連合会のみ。・根拠資料 「実務修習」(国交省ページ)、「実務修習業務規程」「同施行細則」「一般実地演習実施要領」「実務修習審査会審査基準」(連合会公表)、および「第●回実務修習受講の手引」「同受講申請案内書」(連合会・年度ごと)。・注意点 論文式合格者に対して、実務修習の申込案内が個別に送付されるとは限らない。受講申請は、受講希望者の主体的な申請が前提になる。連合会の公表情報を自ら確認する必要がある。

一 修習機関と修習期間

実務修習は、論文式試験合格者に対し、不動産鑑定士となるのに必要な技能および高度の専門的応用能力を修得させることを目的としています。期間は一年コースまたは二年コースの二種類で、毎年一二月一日から翌年一一月三〇日までを一年として運営されます。国土交通省「実務修習」ページは、「現在、登録を受けている実務修習機関は、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会のみです」と明記しています。

二 三単元の構成

実務修習は次の三単元で構成されます。各単元では、課題や報告書などを提出し、その内容を身につけたと認められる必要があります。本書では、この判定を制度上の用語に合わせて「修得確認」と呼びます。修得が確認できない単元は、再受講(再履修)となります。

講義は、不動産鑑定評価の実務に関する講義で、eラーニング形式により、一年コースで例年四か月、二年コースで例年一一か月の期間が割かれます。基本演習は、東京会場でゼミナール形式により、四段階に分けて実施され、合計十日間の演習を行います。

実地演習は、物件調査実地演習と一般実地演習で構成されます。物件調査実地演習では、土地・建物それぞれ一件について物件調査報告書を作成します。一般実地演習では、指導鑑定士のもとで、類型別に十三件の鑑定評価報告書を作成します。実地演習は、原則として、一年コースでは一週間に一日以上、二年コースでは二週間に一日以上、申請した実地演習実施機関に赴いて指導鑑定士から直接指導を受けることが、「実務修習業務規程施行細則」第十六条第六号で義務づけられています。通信指導(Web会議によるリモート指導)は、この原則に対する例外として、実地演習実施機関と指導鑑定士の合意を得たうえで、規程・実施要領に定める範囲内で行うことができます。利用できる条件や回数は改正で変わり得るため、最新版の規程で確認しておきたいところです。

三 受講申請

第二十回実務修習(令和七年一二月開講)の受講申請は、令和七年一一月一二日必着で行われました。提出書類は、①受講申請書、②身分証明書用写真二種類、③不動産鑑定士試験合格証書の写しまたは合格証明書、④同意書、⑤実地演習受講登録申請書の五種類です(番号は第二十回受講申請案内書の様式番号に合わせています)。みなし履修を申請しない人に限り、⑤実地演習受講登録申請書は、実地演習実施機関・指導鑑定士が決まり次第、令和七年は一一月二〇日必着で後日提出することが認められました(他の書類は一一月一二日必着)。

実地演習実施機関と指導鑑定士の決定が期日に間に合わない場合は、受講申請自体が無効となります。実地演習を受け入れてくれる事務所と指導鑑定士の決定は、論文式合格後に動き始める作業の中心になる、と読めます。

四 みなし履修制度

鑑定評価に関する実務経験がある人は、物件調査実地演習または一般実地演習について、「みなし履修」を申請できます。要件は演習ごとに異なります。

物件調査実地演習のみなし履修は、指定された直近一年間(第二十回では令和六年一二月一日から令和七年一一月三〇日まで)に不動産鑑定評価業務の実務経験を有し、十件以上の物件調査に従事していることが申請要件です。一般実地演習のみなし履修は、指定された直近二年間(第二十回では令和五年一二月一日から令和七年一一月三〇日まで)に不動産鑑定評価業務の実務経験を有し、一件以上の鑑定評価報告書を完成させていることが申請要件です。整理すると、申請資格を得るには、対象期間中に少なくとも一件の鑑定評価報告書を完成させた実務経験が必要です。一方、「最大五件」とは、申請が認められた場合に、一般実地演習の十三件のうち何件を履修済みとして扱えるか、という上限を指します(提出すべき報告書の件数ではありません)。具体的な期間・件数や提出資料は年度ごとに変わり得るため、受講申請案内書の最新版で必ず確認してください。みなし履修が認められると、当該課程の演習件数が控除され、修習の負担と費用の見通しが変わり得ます。

五 安全管理措置・指導者制度

実地演習は実物の不動産を題材に行うため、実地調査の際の安全管理が制度として組み込まれています(連合会「実務修習における安全管理措置ガイドライン」)。たとえば、単独での調査を避ける、現地への立入り方法を事前に確認するといった、具体的な安全確保の手順が定められています。坂の上の物件、空き家、再開発予定地など、実地でしか見えないことを安全に学ぶための仕組み、と読めます。指導鑑定士は、連合会が認定する指導者制度の対象者で、「実地演習実施機関及び指導者等」として連合会のサイトに公表されています。実務修習の運営は連合会の実務修習運営委員会が担い、各単元の修得確認は、実務修習審査会が「実務修習審査会審査基準」に基づいて判定します。

制度カード

修了考査・流れ 三単元すべての修得確認 → 修了考査の受験申請(または不受験表明)→ 記述の考査(択一式・論文式)と口述の考査 → 合否決定 → 国土交通大臣の修了確認 → 三月末までに通知。・実施主体 修了考査の実施・判定は実務修習機関(連合会)の修了考査委員会。その判定を踏まえた実務修習の修了確認は、国土交通大臣が行う。・根拠資料 「第●回修了考査受験案内」(連合会、年度ごと)、「修了考査の合否の決定と考査基準について」(連合会通知、令和二年一二月一四日付)。・注意点 受験を希望しない場合も、「不受験表明書」の提出が必要となる。受験資格者は、申請または表明のいずれかが求められる。

六 修了考査の構成と時期

修了考査は、①記述の考査(択一式・論文式)と②口述の考査で構成されます(JAREA「修了考査一覧」および修了考査受験案内)。記述の考査の論文式問題(B問題)については、評価の対象となる不動産の細かな種類(細分化類型)が、事前に指定される運用になっています。

第十九回修了考査は、令和八年(二〇二六年)一月から二月にかけて実施されました。その受験案内は、令和七年一二月に公表されています。第十八回は令和七年(二〇二五年)一月から二月、第十七回は令和六年(二〇二四年)一月から二月に実施されました。修了考査は、実務修習の全課程を修了した後に実施され、近年は一月から二月に行われています。

七 合否の決定と通知

修了考査の合否決定基準は、令和二年一二月一四日付の連合会通知「修了考査の合否の決定と考査基準について」に定められています。修得が確認された場合、国土交通大臣の修了確認手続を経て、その結果が、当該修了考査年度の三月末までに通知されます。通知をもって、不動産鑑定士としての登録申請ができるようになります。

八 不受験表明と次年度受験

修了考査の受験を希望しない人は、「不受験表明書」を提出する必要があります。表明した人は、次回(翌年度)の修了考査を受験することとされます。たとえば、第十九回を不受験表明した人は、第二十回修了考査(令和九年一〜二月実施予定)を受験することになります。受験するか、しないかという選択そのものが制度の中に位置づけられていて、いずれかの意思表示を期日までに行うことが、修習生に求められています。

実務修習の一年は、試験勉強とは時間の流れが違います。知識を覚えるだけでなく、現地調査や報告書の作成を、継続的に積み重ねていく一年です。事務所の電話、実地での調査、修正された報告書のやり取り。その日常のひとつひとつが、修習という時間を形づくっていきます。

第六章 登録と仕事の開始

🐿️ レコル:最後の関門は「名簿に名前がのる」こと。鑑定士としての登録と、自分で鑑定業を営むときの業者登録は別ものだよ。ここを分けて読むと、すっきりするよ。

資格の最終ステップは、名簿に名前が載ることです。不動産鑑定士として活動するには、不動産鑑定士名簿への登録が必要になります。さらに、自ら不動産鑑定業を営む場合には、別途、不動産鑑定業者の登録が必要になります。

制度カード

登録制度・流れ 修了考査合格通知 → 国土交通大臣への登録申請 → 不動産鑑定士名簿への登録 → 業務開始。鑑定業を営む場合は、別途、不動産鑑定業者の登録が必要。・実施主体 国土交通大臣(個人鑑定士の登録)。鑑定業者登録は、事務所所在地により、国土交通大臣登録(複数都道府県に事務所)または都道府県知事登録(単一都道府県)に分かれる。・根拠資料 不動産の鑑定評価に関する法律。「1. 不動産鑑定士の登録」ほか各手続ページ(国交省)、「登録等手続Q&A」(国交省PDF)。・注意点 登録手続の申請窓口は、住所地ブロック(北海道/沖縄/その他)により様式が分かれる。e-Govによるオンライン申請も令和六年以降可能。

一 不動産鑑定士の登録

修了考査に合格し、国土交通大臣の修了確認を受けた人は、不動産鑑定士名簿への登録を申請することにより、不動産鑑定士として活動できます。登録申請には、必要書類および記載要領(PDF・Word)を国交省ページからダウンロードし、住所地ブロック(北海道/沖縄/左記以外)別の様式で申請します。書類の細部は様式の更新で変わるため、申請時には最新版の確認が必要です。

二 登録後の各種手続

登録後の手続として、①変更の登録(住所・氏名等)、②死亡等の届出、③登録の消除(廃業・引退)、④登録の証明(証明書発行)が用意されています。氏名の変更については、内閣府の男女共同参画基本計画等に基づき、不動産鑑定士の旧姓使用が可能とされ、「不動産鑑定士における旧姓使用の取扱要領」と申請様式が国土交通省で公表されています。

三 不動産鑑定業者の登録

不動産鑑定業――事業として鑑定評価を行う業務――を営むには、不動産鑑定士個人の登録に加え、不動産鑑定業者登録が必要になります。第一章でふれたとおり、評価を担当する個人は不動産鑑定士の登録を行い、依頼を受けて評価を事業として行う会社や個人事業主は業者登録を行います(勤務して評価を行う場合、業者登録は勤務先が行います)。事務所が複数都道府県にまたがる場合は国土交通大臣登録、単一都道府県内のみの場合は当該都道府県知事登録となります。鑑定業者は、五年ごとの更新登録、変更登録、登録換え(県外移転等)、廃業届などの手続が用意されているほか、毎年一月三十一日までに前年の事業実績概要を提出する義務があります(不動産の鑑定評価に関する法律 第二十八条、施行規則 第三十六条)。

四 オンライン申請

不動産鑑定士の登録等は、e-Govポータル経由でオンライン申請ができ、「申請者ログインマニュアル」(PDF)が国交省で公表されています。電子申請は書面申請の代替手段として整備されたもので、書面申請が廃止されたわけではありません。住所地や事務所の所在に応じて、書面・オンラインのいずれが向いているかを、各様式の案内で確認しておきたいところです。

登録は、合格に比べると地味な作業に見えるかもしれません。けれど、名簿に名前が記される瞬間こそ、価格を読む仕事の入口に立つ瞬間でもあります。

終わりに 余白を残して

🐿️ レコル:ここまで読んでくれてありがとう。制度は少しずつ動くから、この本にも余白を残しておいたよ。あなたの道すじを、あなたのペースで書き足していってね。

ここまで、不動産鑑定士という仕事の入口にあたる制度の道すじを、できるだけ静かに読み解いてきました。

本書を読み終えたら、欄外や手元のノートに、どうか書き込みの余白を残しておいてください。年度が変わり、規程が改正されるたびに、その余白に最新の情報を書き足していただければ、この本は、ゆっくりと自分のかたちを更新していけるはずです。

本書を手にとってくださった読者のみなさんが、よりよい道すじを歩まれることを願いながら、ここで筆を置きます。

レコル出版 編集室

資料編一 制度を支える団体

🐿️ レコル:制度のうしろには、それを動かしている人たちや組織があるよ。名前を全部おぼえなくても大丈夫。「困ったらどこに聞けばいいか」がわかれば十分だよ。

制度カード

関連団体・全国組織 公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(JAREA)。実務修習機関であり、研修・基準ガイドラインの整備、調停センター運営なども担う。・地域組織 四十七都道府県に各鑑定士協会(公益社団法人または一般社団法人)。九つの広域連合会(北海道・東北・関東甲信・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州沖縄)。・行政側 国土交通省 不動産・建設経済局 土地経済課 鑑定評価指導室(鑑定業務全般・登録)/同 不動産鑑定士係(試験事務)/土地鑑定委員会(試験実施機関)。

一 日本不動産鑑定士協会連合会(JAREA)

JAREAは、不動産鑑定士の専門性と倫理性の向上、および不動産鑑定評価制度の発展を目的とする公益社団法人で、所在地は東京都港区虎ノ門三―十一―十五 SVAX TTビル九階です。唯一の登録実務修習機関として、講義、基本演習、実地演習、修了考査の運営を担っています。広報誌『鑑定のひろば』を発行し、研究論文・研究報告・国際情報を掲載するほか、毎年四月の「不動産鑑定評価の日」前後には無料相談などが行われています。

二 都道府県不動産鑑定士協会

四十七都道府県に、それぞれ独立した法人(公益社団法人または一般社団法人)として鑑定士協会が設置されています。願書の配布拠点となるほか、地域により、無料相談会の運営や、研修・相談・調停に関する事業を行っています。また、北海道、東北、関東甲信、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州沖縄の九ブロックに広域連合会が組織され、ブロックごとの研修・連絡調整を行っています。

三 国土交通省側の所管組織

土地鑑定委員会は、「地価公示法」に基づき国土交通省に置かれる委員会です。地価公示の標準地の選定・価格判定を行うほか、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき不動産鑑定士試験を実施し、鑑定評価制度のあり方について意見を述べる(意見具申を行う)役割も担います。不動産・建設経済局 土地経済課 鑑定評価指導室は、鑑定業者登録・監督、実務修習機関の登録、団体届出など制度運用全般の主管室で、同 不動産鑑定士係は試験事務の主管係として、願書および電子申請の総合窓口になっています。

団体の名前を覚える必要はありません。困ったときに、どこに尋ねればよいか、おおよそ知っておくだけで十分です。

資料編二 制度の移り変わり(令和三年〜令和八年)

🐿️ レコル:制度は、ゆっくり姿を変えていくよ。「いつ・何が変わったか」をたどると、その時代が何を大事にしようとしていたのかが、うっすら見えてくるよ。

制度は、ゆっくりと、少しずつ姿を変えていきます。ここでは、令和三年から令和八年にかけての目立った変更を、時系列で並べてみます。改正の経緯をたどると、その資料が何を守ろうとしているのかが見えてくることがあります。

令和三年〜令和四年(二〇二一〜二〇二二)

令和二年一二月、連合会から「修了考査の合否の決定と考査基準について」が公表され、以後、これに基づいて合否が判定されています。また、新型コロナウイルス感染症への対応として、試験会場・実務修習会場での感染防止策(学校保健安全法対象感染症の罹患者への受験控えの呼びかけ等)が、受験案内に記載されるようになりました。実務修習実施計画は、連合会から年度ごとに公表されています。

令和五年(二〇二三)

出題範囲の名称改正がありました。宅地造成等規制法が、「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)に名称・内容ともに改められました(令和五年五月二六日施行)。これは令和六年試験以降の受験案内に反映されています。盛土による災害をふせぐという問題意識が前面に出た改正、と読むこともできます。あわせて、JAREAの「一般実地演習実施要領」が令和五年九月一二日付で改正され、第十八回実務修習(令和五年一二月開講)の手引きと実施計画が公表されました。

令和六年(二〇二四)

JAREAの「実務修習業務規程施行細則」が令和六年九月二〇日付で改正され、実地演習の通信指導(Web会議によるリモート指導)に関する規定が置かれました。物件調査報告書の記載例も同日付で更新されています。国土交通省側では、令和六年には、不動産鑑定士登録のe-Govによるオンライン申請が案内されています。

令和七年(二〇二五)

論文式試験の成績通知書を、合格者にも交付する運用に変更されました(受験案内 7.(5))。第二十回実務修習(令和七年一二月開講)の受講申請が、令和七年九月一一日付の申請案内書で募集されました。第十九回修了考査(令和八年一〜二月実施)の受験案内が、令和七年一二月二日に公表されました。

令和八年(二〇二六)

令和八年不動産鑑定士試験の施行通知が令和七年一一月五日に、受験案内・電子申請の案内が令和八年二月四日に公表されました。試験スケジュールは、短答式が五月一七日、論文式が八月一日から三日、合格発表は短答式が六月二四日、論文式が一〇月一六日です。出題基準日は、令和七年九月一日時点で施行されている法令・規程です。

ここに整理した変更は、本書整理時点の公表内容に基づきます。今後の年度では、さらに改正や運用変更が重なる可能性があります。最新の情報は、国土交通省および連合会の公表資料で、必ず直接ご確認ください。

制度はゆっくり動いています。本書が古びていくことは、制度が生きている証拠でもあります。だからこそ、実際に手続きを進める際は、本書の情報がすでに古くなっている可能性があることを念頭に置き、必ず最新の原典でお確かめください。

巻末 この本の原典

この本は、以下の原典をもとに整理しています。

制度や運用は更新されるため、実務で利用する際は最新の原典をご確認ください。

国土交通省

令和八年不動産鑑定士試験受験案内(国土交通省 土地鑑定委員会)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kanteishi/content/001979326.pdf

不動産鑑定士になるには(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kanteishi/shiken04.html

不動産鑑定士試験(試験トップ/国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kanteishi/shiken.html

実務修習(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk4_000027.html

1. 不動産鑑定士の登録(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/appli/kanbo01_hy_000067.html

不動産の鑑定評価に関する法律 手続一覧(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/appli/kanbo01_hy_000068.html

土地鑑定委員会(国土交通省 審議会等)

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s504_tochikantei01.html

公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(JAREA)

実務修習(受講案内トップ)

https://jarea.org/practical_training/index.html

実務修習 受講申請

https://jarea.org/practical_training/application_for_enrollment.html

実務修習 各種規程等

https://jarea.org/practical_training/regulations/index.html

第19回 実務修習 受講の手引(PDF)

https://jarea.org/cms_files/general/practical_training/regulations/19_jitumusyusyu_tebiki.pdf

第20回 実務修習 受講申請案内書(PDF)/受講申請ページ

https://jarea.org/cms_files/general/practical_training/1_20_jyukousinnsei_clean_20250911-ver.2.pdf

https://jarea.org/practical_training/application_for_enrollment.html

修了考査一覧

https://jarea.org/practical_training/trainees/final_exam/index.html

第十九回修了考査受験案内

https://jarea.org/practical_training/trainees/final_exam/2025/12/3973.html

法令

地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/06119690623049.htm

制度全般の根拠資料(法令・規程)

不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三十八年法律第百五十二号)、同施行令、同施行規則

実務修習業務規程・同施行細則(連合会)

一般実地演習実施要領/実務修習審査会審査基準(連合会)

令和七年度(第二十回)実務修習実施計画(連合会)

修了考査の合否の決定と考査基準について(連合会通知・令和二年一二月一四日付)

不動産鑑定士登録等手続Q&A/オンライン申請(申請者ログイン)マニュアル(国土交通省)

上記の法令・規程は、e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp/)および国土交通省・連合会の各ページで最新版を確認できます。各資料の公表日・改正日は原典でご確認ください。

※リンク先およびURL内のページ内容は、最終確認日(二〇二六年六月二十日)時点で確認できたものを掲載しています。

価格を読む仕事

―― 不動産鑑定士のなり方

整理日 二〇二六年六月二十日

整理基準 令和八年(二〇二六年)試験/令和七年一二月開講 第二十回実務修習を中心に、令和三年〜令和八年の制度の移り変わりを併記

情報源 国土交通省(土地鑑定委員会)/公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(JAREA)

発行 レコル出版

注記 本書は、リスのレコルが夜の森の中で一次資料を読み直し、レコル出版より夜の森図書館へ寄贈した、価格を読む仕事についての小さな案内です。

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