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レコル出版|定期借家契約を読む──「更新しない契約」は、なぜ生まれたのか

モーリー

レコル出版について

レコル出版では、外の世界にある制度や資料を、夜の森の中で静かに読み直し、本の形にしています。

制度には、その時代の背景や考え方が映されています。レコル出版では、基準やルールだけでは見えにくい、制度の輪郭や、その奥にある考え方を、ゆっくり整理していきます。

この本は、初心者の方が途中で迷子にならないよう、条文の暗記ではなく「流れ」を優先して書いています。断定よりも、「こう読むと流れが見えやすい」という形で整理しました。

制度や運用は更新・改正されるため、実務で利用する際は、必ず最新の原典本文をご確認ください。

まえがき

部屋を借りるとき、私たちはあまり「いつまで住めるのか」を意識しません。多くの賃貸借契約では、期間が満了しても、当たり前のように更新され、住み続けることができるからです。借りた人が望めば、住まいは続いていく。これは、日本の借家の世界では、長いあいだ「当たり前」とされてきた前提でした。

ところが、その当たり前の外側に、もうひとつの契約があります。期間が満了すると、更新されることなく、契約がそこで確定的に終わる契約──「定期借家契約(定期建物賃貸借)」です。名前だけを見ると、少し冷たく、借りる人に不利な仕組みのようにも感じられます。

けれども、この「更新しない契約」は、ある日とつぜん思いつきで作られたものではありません。その背後には、戦争の時代にまでさかのぼる借家の歴史と、「いったん貸すと返ってこない」と言われ続けた賃貸住宅市場の長い悩みがありました。定期借家契約は、その悩みに対するひとつの答えとして、二〇〇〇年に生まれています。

この本では、定期借家契約を「貸す側に有利な制度」「借りる側に不利な制度」という対立の図式ではなく、なぜこの選択肢が必要になったのか、という時間の流れの中で読み直していきます。普通借家契約との違いも、賃料の水準も、その流れの中に置いてみると、ずいぶん見え方が変わってきます。

🐿️ レコル:「この本はね、『更新しない契約』がどうして生まれたのかを、時間をさかのぼりながら読んでいくよ。
まずは普通借家との違いをつかんで、それから〈正当事由〉という古い仕組みにふれると、流れがすっと通るはず。
最後は、定期借家契約がどんな考え方のもとで作られたのか──そこまで一緒に歩いていこうね。」

第一章 「更新しない契約」という入口

はじめに、定期借家契約とは何かを、ひとことで置いておきます。定期借家契約とは、契約で定めた期間が満了することによって、更新されることなく、確定的に賃貸借が終了する建物の賃貸借です。国土交通省も、この制度をそのように説明しています。

ここで大切なのは、「更新されない」という点が、たまたまそうなったのではなく、契約の最初からそう約束されている、ということです。普通の建物賃貸借(普通借家契約)では、期間が来ても原則として契約は続いていきます。定期借家契約は、その「続いていく」という前提を、あらかじめ外した契約だと読むと分かりやすくなります。

二つの契約を並べてみる

不動産の世界では、建物を借りる契約は、大きく「普通借家契約」と「定期借家契約」の二つに分かれます。同じ「部屋を借りる」契約でも、期間が満了したあとの扱いが、まるで違います。まずは全体像を、表で並べてみます。

普通借家契約定期借家契約
期間満了後原則として更新され、続いていく(法定更新)更新されず、確定的に終了する
更新拒絶の要件貸主側に「正当事由」が必要正当事由は不要(はじめから更新がない)
契約の方式口頭でも成立しうる書面(公正証書による等)が必要
事前の説明特段の定めなし「更新がない」旨を、契約とは別の書面(承諾があれば電磁的方法)で事前説明
契約期間1年未満は「期間の定めなし」とみなされる1年未満も可能(期間の下限なし)
賃料増減の特約借賃増減請求権を奪う特約は原則無効賃料改定特約があれば、増減請求を排除できる

表だけを見ると、定期借家契約は借りる人にとって不利に見えるかもしれません。けれども、後の章で見るように、この「更新がない」という性質は、賃料の安さや、これまで貸し出されにくかった住宅が市場に出てくることと、静かにつながっています。

🐿️ レコル:「ここで一気に全部おぼえなくて大丈夫。
〈普通借家=原則ずっと続く〉〈定期借家=期間で確定的に終わる〉。この二つの対比だけ、まず持っておこうね。」

第二章 正当事由 ──「いったん貸すと返ってこない」の正体

定期借家契約が「なぜ生まれたのか」を読むためには、いったん定期借家から離れて、普通借家契約の側にある、ある古い仕組みを見ておく必要があります。それが「正当事由」です。ここを通らずに定期借家を語ると、制度のいちばん大事な背景が抜け落ちてしまいます。

法定更新という仕組み

普通借家契約では、期間が満了しても、当事者が一定の期間内(期間満了の一年前から六か月前までの間)に「更新しない」という通知をしなければ、これまでと同じ条件で契約が更新されたものとみなされます。これを「法定更新」と呼びます(借地借家法第二十六条)。通知をしていても、期間満了後に借りている人が住み続け、貸主が遅滞なく異議を述べなければ、やはり更新されたものとみなされます。

そして、貸主の側から「更新しません」「出ていってください」と言うためには、ただ通知をするだけでは足りません。そこに「正当事由」があることが求められます(借地借家法第二十八条)。さらに、こうした借りる人を守る規定に反して、借りる人に不利な特約を結んでも、その特約は無効とされます(同法第三十条)。

つまり普通借家契約は、契約期間という形を取りながらも、実質的には「借りた人が望むかぎり住み続けられる」ことを、法律の側からしっかり支えている契約だと読むことができます。

正当事由は、いつ生まれたのか

この正当事由という考え方は、それほど古いものではありません。借家人を保護するために正当事由が法律に加えられたのは、戦時下の一九四一(昭和十六)年のことだと言われています。出征などで家を離れる人やその家族が、留守のあいだに住まいを失うことのないように、家主が簡単には契約の更新を拒めないようにする──そうした時代の要請が、この仕組みの出発点にありました。

戦争が終わったあとも、深刻な住宅不足のなかで、借りる人を守る必要は続きました。こうして正当事由は、戦後の借家制度の中心にすわり続けます。住む人を守るという、とても大切な役割を担ってきた仕組みです。

🐿️ レコル:
「正当事由は、住む人を守るために生まれた仕組みなんだ。
定期借家契約を読むときも、まずはそこを出発点にしてみようね。」

守りが、別の悩みを生む

ところが、住む人を強く守るこの仕組みは、時代が進むにつれて、貸す側に別の悩みを生んでいきます。いったん貸してしまうと、期間が来ても簡単には返ってこない。立ち退いてもらうには正当事由が要り、ときには立退料も必要になる。賃料を見直そうにも、借りる人を守る規定が厚く働く。

貸主から見ると、契約期間や収益の見通しが立てにくく、不確実性が大きい。その結果として、賃貸住宅市場は、回転の速い狭い住宅の供給にかたよりがちになり、広いファミリー向けの住宅や、いったん人が住んだ持ち家を貸し出すことが進みにくい──こうした指摘が、長くされてきました。「いったん貸すと返ってこない」という言葉は、この状況を言いあらわしたものです。

住む人を守ろうとした仕組みが、巡りめぐって、良質な住宅が市場に出てきにくいという別の問題を生んでいました。定期借家契約は、まさにこの「守り」と「供給」のあいだの緊張から生まれてきます。次の章では、その誕生の場面に立ち会ってみます。

第三章 二〇〇〇年、もうひとつの選択肢が生まれる

定期借家制度は、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」(平成十一年法律第百五十三号)によって創設されました。この法律は平成十一(一九九九)年十二月に成立し、借地借家法に定期建物賃貸借(第三十八条)を加える形で、二〇〇〇(平成十二)年三月一日から施行されています。

法律の名前そのものが、この制度の目的を物語っています。「良質な賃貸住宅等の供給の促進」。第二章で見た「いったん貸すと返ってこない」状況をやわらげ、これまで市場に出てきにくかった広めの住宅や持ち家を、安心して貸し出せるようにする。そのための仕組みとして、定期借家制度は構想されました。

正当事由を「外す」のではなく、選べるようにする

ここで大切なのは、定期借家制度が、正当事由という仕組みそのものを否定したわけではない、という点です。普通借家契約は、これまでどおり残っています。住む人を守る正当事由の世界は、いまも生きています。

定期借家制度がしたことは、その世界の隣に、「あらかじめ更新がないと約束する」という、もうひとつの選択肢を置いたことです。貸主と借主が、書面ではっきりと「この契約は更新しません」と確認したときに限って、期間満了で確定的に契約を終わらせることができる。正当事由を一律に取り去るのではなく、当事者が納得して選んだ場合に、その縛りの外に出られる扉を用意した、と読むことができます。

国土交通省も、定期建物賃貸借によって契約期間と収益の見通しが明確になり、賃貸住宅経営の不確実性が下がること、その結果として持ち家の賃貸化を含め、ファミリー向けなど多様で良質な賃貸住宅の供給が期待できることを、制度の趣旨として説明しています。

🐿️ レコル:
「定期借家契約は、正当事由をなくした制度ではないんだね。
普通借家契約はそのまま残っていて、期間で終わる契約も選べるようになったんだ。」

議員立法という出自

この制度が、政府の提出した法案ではなく、国会議員が中心となって作る「議員立法」として成立した点も、覚えておくと流れが見えやすくなります。住む人の保護と、住宅の供給をどう両立させるか。これは、立場によって意見の分かれる難しいテーマでした。そうした論議のなかで、普通借家制度を残したまま、新しい選択肢を慎重に付け加える、という形が選ばれています。

制度の作られ方そのものに、「どちらか一方を切り捨てない」という慎重さがにじんでいる。定期借家制度を読むとき、この出自を知っておくと、制度のあちこちに置かれた借主保護の仕掛け(次章で見る、書面や事前説明、終了通知などの要件)が、なぜそこにあるのかが腑に落ちやすくなります。

第四章 定期借家契約の組み立てを読む

ここからは、定期借家契約が実際にどう組み立てられているのかを、借地借家法第三十八条にそって読んでいきます。条文の番号を覚える必要はありません。大切なのは、ひとつひとつの要件が、第三章で見た「慎重さ」──つまり、借りる人がそれと知らないまま更新のない契約を結んでしまわないようにする配慮──から来ている、という流れです。

一 書面でなければならない

定期借家契約は、書面によって契約をするときに限って成立します(第三十八条第一項)。条文は「公正証書による等書面によって」と書いていますが、これは公正証書がひとつの例として挙げられているだけで、公正証書でなければならないという意味ではありません。書面であれば足ります。なお、二〇二二年の改正により、契約内容を記録した電磁的記録(電子契約)による場合も、書面によるものとみなされるようになりました。あわせて、後で述べる事前説明の書面についても、借りる人の承諾を得たときは、電磁的方法(電子メールなど)で提供することができ、その場合は書面を交付したものとみなされます。

口頭でも成立しうる普通借家契約と違い、定期借家契約がわざわざ書面を要求しているのは、「更新がない」という重い約束を、形に残るかたちで確認させるためだと読めます。

二 「更新がない」と定めること

そのうえで、契約のなかに「契約の更新がないこととする」旨を、はっきり定める必要があります(第一項)。普通借家契約では、たとえ「更新しない」という特約を結んでも、借りる人に不利なものとして無効になってしまいます(第三十条)。定期借家契約は、第三十八条という特別な入口を通ることで、初めてこの「更新しない」という定めが有効になる契約だと整理できます。

三 契約とは別の書面で、事前に説明する

定期借家契約でとりわけ特徴的なのが、この事前説明です。貸主は、契約に先立って、借りる人に対し、「この契約は更新がなく、期間の満了によって終了する」ことを記載した書面を交付して、説明しなければなりません(第三項)。この説明をしなかった場合には、「更新がない」とする定めそのものが無効になります(第五項)。正確に言えば、説明を怠ると、「更新がない」という定めが無効になって、その契約は定期建物賃貸借に当たらなくなります。結果として、更新のある普通の借家契約と同じように扱われ、借りる人は住み続けられる世界に戻ることになるのです。

さらに最高裁判所は、平成二十四年九月十三日の判決で、この事前説明の書面は、契約書とは別個独立の書面でなければならない、と判断しました。契約書のなかに「更新がない」と書き込み、その契約書を渡しただけでは、事前説明をしたことにはならない、という読み方です。借りる人が、契約書にサインをする前に、「これは普通の更新される契約とは違うのだ」と立ち止まって理解できるように──制度は、書面を二重に分けるところまで気を配っています。

🐿️ レコル:「ここは実務でいちばんつまずきやすいところ。
〈契約書に書いてあるからいい〉ではなくて、〈契約書とは別の説明書を、先に渡して説明する〉。
この一手間が抜けると、定期借家のつもりが普通借家になっちゃうんだ。」

四 期間は自由に決められる

普通借家契約では、一年未満の期間を定めると「期間の定めのない契約」とみなされてしまいます。これに対して定期借家契約では、この下限のルール(第二十九条第一項)が適用されません(第一項後段)。そのため、数か月といった一年未満の短い期間も、逆に長期の期間も、当事者の事情に合わせて自由に設定できます。持ち家を転勤のあいだだけ貸す、建て替えまでの数年だけ貸す、といった柔軟な使い方ができるのは、この性質によるものです。

五 終了を知らせる通知

更新がないとはいえ、ある日とつぜん「期間が終わったので出てください」と言われては、借りる人が困ります。そこで、契約期間が一年以上ある場合には、貸主は、期間満了の一年前から六か月前までの間に、借りる人へ「期間満了によって契約が終了する」旨を通知しなければなりません(第六項)。この通知をしないと、貸主は契約の終了を借りる人に対して主張できません。終わりが決まっている契約だからこそ、その終わりを前もって知らせる手続きが、借主保護として組み込まれているわけです。

六 借りる人からの中途解約

居住用の定期借家契約で、床面積が二百平方メートル未満のものについては、転勤・療養・親族の介護など、やむを得ない事情によって、借りる人がその建物を生活の本拠として使い続けることが難しくなったときに、借りる人の側から解約を申し入れることができます(第七項)。この場合、契約は申入れの日から一か月で終了します。期間に縛られて身動きが取れなくなる、という事態から、住む人を守るための逃げ道です。

こうして並べてみると、定期借家契約の要件は、どれも「貸す側が確実に契約を終わらせられるようにする」ためだけのものではないことが見えてきます。書面、事前説明、別個の書面、終了通知、中途解約──その多くは、むしろ借りる人が不意打ちを受けないための仕掛けです。第三章で触れた制度の慎重さが、条文のあちこちに静かに置かれています。

第五章 賃料をどう読むか

定期借家契約を、鑑定評価や価格の世界につなげていくとき、避けて通れないのが「賃料」です。ここには、定期借家ならではの二つの論点があります。ひとつは賃料の改定をめぐるルール、もうひとつは賃料の水準そのものです。

借賃増減請求権と、それを外せる特約

建物の賃貸借では、土地や建物にかかる税の変動や、近隣の相場との比較などによって、約定の賃料が不相当になったとき、当事者は賃料の増額や減額を請求できます。これを借賃増減請求権といいます(借地借家法第三十二条)。この借賃増減請求権は強行的な性格を持つと考えられており、普通借家契約では、この権利を当事者の特約で一律に奪うことは、原則として認められていません。ただし、「一定の期間は賃料を増額しない」という、借主に有利な特約だけは有効とされています(第三十二条第一項ただし書)。賃料が時代に合わなくなったときに調整できることは、貸主・借主双方を守る基本的な仕組みと考えられているからです。

ところが定期借家契約では、賃料の改定に関する特約があるときは、この第三十二条が適用されません(第三十八条第九項)。つまり、「契約期間中は賃料を変えない」「あらかじめ決めた方式でだけ改定する」といった特約を結ぶことで、借賃増減請求権を排除できるのです。これにより、貸主は契約期間中の賃料収入を、より確実に見通せるようになります。

これは、鑑定評価の視点から見るとなかなか興味深い性質です。普通借家契約の賃料が、借賃増減請求権の対象となりうるのに対し、定期借家契約の賃料は、特約によって、契約期間のあいだ固定された、より静かな世界に置くことができる。賃料がどのルールの上に立っているのかは、その賃料を読み解くときの前提条件になります。

🐿️ レコル: 「賃料って、金額そのものだけじゃなくて、どんなルールの上にあるのかも大事なんだ。
定期借家の賃料は、特約しだいで『期間中は動かさない』と決めておける。
普通借家との違いを並べてみると、この性質が見えやすくなるよ。」

賃料水準 ──「更新がない」ことの値段

では、定期借家契約の賃料は、普通借家契約と比べて高いのでしょうか、安いのでしょうか。一般には、同じような立地・同じような建物であれば、定期借家契約の賃料は普通借家契約よりも低めに設定される傾向がある、と指摘されることが多いようです。

理由を流れで読むと、こうなります。借りる人にとって、定期借家契約は「期間が来れば確定的に終わる」契約です。住み続けられる安心という点では、更新のある普通借家契約に劣ります。そのぶん、借りる人に選んでもらうために、貸主の側が賃料や初期費用をいくらか抑える、という調整が働きやすい。逆に言えば、賃料の差のなかに、「更新がないこと」「住み続けられる保証がないこと」の価値が、いわば値段として表れている、と読むこともできます。

もっとも、これはあくまで一般的な傾向であって、すべての定期借家契約の賃料が普通借家契約より安い、と断定できるものではありません。短期間だけ良質な住宅を借りられる、貸主が住宅を手放さずに済む、といった双方の事情によって、賃料の決まり方は変わってきます。定期借家かどうかは、賃料を読むときの大事な手がかりのひとつですが、それだけで賃料の高低が決まるわけではない、という距離感で見ておくのがよさそうです。

あとがき

「更新しない契約」という言葉を、私は最初、少し冷たいものだと感じていました。借りる人から、住み続ける安心を取り上げる契約なのではないか、と。

けれども、資料を夜の森でゆっくり読み返していくうちに、見え方が変わってきました。この契約は、住む人を強く守るあまり、かえって良質な住宅が世に出てこなくなってしまった、という長年の悩みのなかから生まれていました。

しかも、その生まれ方は、これまでの普通借家契約を残したまま、新しい選択肢を加える、という慎重なものでした。

書面を求め、契約とは別の書面で事前に説明させ、終了をあらかじめ通知させる──条文のあちこちに置かれた手続きは、借りる人が不意打ちを受けないための、静かな気づかいだったのだと思います。

制度は、どちらか一方の味方をするためにあるのではなく、対立する願いのあいだで、なんとかバランスを取ろうとする営みなのかもしれません。定期借家契約を読むことは、そのバランスの取り方を読むことでもありました。

この本が、定期借家契約を「貸す側/借りる側」のどちらが得か、という図式から少しだけ自由にして、その背景を感じる手がかりになれば、うれしく思います。

夜の森図書館にて 🐿️ レコル

この本の原典

この本は、以下の原典をもとに整理しています。制度や運用は更新されるため、実務で利用する際は最新の原典をご確認ください。

  • 借地借家法(e-Gov 法令検索)

https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090

  • 良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/teishaku/111215-3.htm

  • 国土交通省 定期建物賃貸借

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000059.html

  • 国土交通省 定期賃貸住宅標準契約書

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000030.html

  • 法務省 借地借家法等の改正(定期借地権・定期建物賃貸借関係)について

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00304.html

  • 不動産鑑定評価基準/不動産鑑定評価基準運用上の留意事項/価格等調査ガイドライン(国土交通省 法令・不動産鑑定評価基準等)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk4_000024.html

  • 公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会 公表資料

https://www.fudousan-kanteishi.or.jp

※ 本文中で触れた裁判例として、定期建物賃貸借の事前説明書面は契約書とは別個独立の書面であることを要するとした最高裁判所平成二十四年九月十三日判決を参照しています。

※ リンク先は、執筆時点で確認できたものを掲載しています。

── レコル出版 読むシリーズ ──

外の世界の制度を、夜の森の中で静かに読み直し、本の形にしています。

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